RECOMMEND
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS

12
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
--
>>
<<
--

careercreator

1978年生まれ。米国大学院卒業後、仕事でエージェント/企業内人事/研修講師/採用広報/能力開発・人材育成のスペシャリスト/経営企画として活躍。

個人では、キャリアクリエーター/ディスカッションパートナー/ミーティングコンサルタント/経営の家庭教師/転職の家庭教師/パーソナルプロデューサーとして活躍。
<< 新卒一括採用が崩壊するとき | main | 30歳まで新卒で進む排除の正当化とは!? >>
30歳まで新卒扱いでいいのか!?
0

    前回からの続きになります。

     

    30歳新卒扱いのリスクは自己責任!?

     

     

    ただ、手放しで喜んでばかりもいられない。

    いちばん恐れていることは「30歳まで新卒」が広がることで、今以上に若年層のスキルアップが自己責任化されていくことである。

    どういうことか説明していこう。

     

    人を育てる役割を企業に丸投げしてきた社会と、成長が鈍化するなかで人材育成を担えなくなった企業の「両者の狭間のエアポケットに落ちて、受け取り手がいない」ということが今の学生が直面している現状である。

     

    若年転職者が増え、彼らの職業人としてのスキルアップを担う存在がいないなか、彼らに生じるリスクが不条理に自己責任化されていっているという問題。

     

    育成機能を企業が担ってきたことも、その機能を企業が担えなくなりつつあることも、誰かに責任があるということではない。

    ただ、経済発展の鈍化や社会設計の過程で、若年層の職業人としてのスキル育成を担う存在が日本において失われていったのは事実である。

     

    その状態を放置したまま「30歳まで新卒」という流れが広がることは、大学卒業から入社までの時間的猶予を認める分、その間の自身のスキルアップが自己責任化されることにつながる。

    その結果、与えられた時間をうまく活用できる人材とそうではない人材が生まれ、格差を増幅させる可能性がある。

     

     

    「大学卒業後の時間を有効に使えない人は、新卒ですぐ就職すればよいではないか」という意見もあるだろう。

    しかし、企業の短期的な経済合理性を追求すれば、29歳まで自ら鍛錬し、必要なスキルを身に付けて入社してきてくれる人材が誰より欲しい人材となる。

     

    そうした人材はまさに即戦力として活躍してくれるだろうし、人材を育てるコストも削減できる。

    もちろんそんな意図で「30歳まで新卒」を導入するわけではないだろうが、極端に言えばありうる事態である。

     

    そう考えると、大卒者にとっては、「30歳まで新卒」は競争の激化を意味する。

    新卒一括採用は、突き詰めればパイの奪い合いである。

     

    30歳までが新卒扱いとなれば、既卒者や一度どこかの企業で鍛錬を積んだ人材、あるいは起業してさまざまな経験を積んできた人材と、大卒者は限られたパイをめぐる戦いを強いられ、その競争の弱者となる可能性がある。

     

    人口減少社会を迎え採用枠を奪い合う人数が減っていくため、就職難の問題はこれから解消されていくという見方もあるが、2020年以降に到来すると言われる不景気が現実になれば、採用枠も圧倒的に削減されるだろう。

     

    また、オリンピック特需や円安による景気回復などの影響を受けて、ここ数年新卒の採用数を増やしている企業が多いが、そのことが数年後の採用枠をさらに圧迫する可能性も高い。

     

    目の前のビジネスチャンスをつかむために増やした人員は、景気が低迷したからといって減らせるわけではない。

    その結果、その後の新卒の定期採用枠の削減によって全体の人員調整が図られる可能性は高い。

     

    そうして新たな人員の採用ニーズが減っていったとき「新卒一括採用」という枠組みを残しながら、そこに参入するプレーヤーが増えることは、より低い年齢の者、経験が乏しい者にとっては厳しい状況となることを意味する。

     

    企業からすると、「30歳まで新卒」の仕組みは幅広く優秀な人材を採用する可能性を広げることになるが、就職先を獲得する側にとってみると競争の激化につながるのだ。

     

    | 採用学 | 00:05 | comments(0) | - | - |