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careercreator

1978年生まれ。米国大学院卒業後、仕事でエージェント/企業内人事/研修講師/採用広報/能力開発・人材育成のスペシャリスト/経営企画として活躍。

個人では、キャリアクリエーター/ディスカッションパートナー/ミーティングコンサルタント/経営の家庭教師/転職の家庭教師/パーソナルプロデューサーとして活躍。
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30歳まで新卒で進む排除の正当化とは!?
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    前回からの続きです。

     

    格差と排除を正当化してしまう!?

     

     

    大学を卒業するまでは大学が面倒を見る、就職してからは企業が面倒を見るのが、一応は大卒就職者が生きている世界である。

    しかしすでに記したとおり、働くうえでのスキル育成という観点ではどちらもその機能を果たしきれてはいない。

    「30歳まで新卒」を悲観的な視点からとらえれば、その間に時間的猶予をつくり、競争に参入する資格だけを若者に配っていると言える。しかしそれでは人は育たないのだ。

     

    時間を与え競争を設定しさえすれば人が育つと思うのは幻想だ。

    あるいは、自身を成功者だと思い込む方々の傲慢である。「自己責任化社会」においてこの考え方を実現するような仕組みが広がると、「時間も競争への参加の機会も提供したのに頑張れないのは自分たちのせいだ」という言説が広がり、経済合理性を追求するために優秀な人材だけを引き上げ、それ以外の人々を排除する免罪符が生まれていく。

     

    社会学者のジャック・ヤングは、かつて先進諸国の社会は標準的な生き方を是としながらもそこから外れた者も社会に包摂しようとしていた「包摂型社会」だったが、不確実化・多様化・不安定化のなかでリスクや困難を抱える者に対する不寛容が高まり、そうした者を排除する「排除型社会」へと変化が起こっていると指摘した。

     

    これに対し東京大学教育学研究科の本田由紀教授は『軋む社会』(2011年)のなかで、「日本では標準的・同質的で安全な社会がかなりの程度維持されたまま、そこから過酷な排除のされ方をする集団があらわれはじめていると考えられる」と、日本特有の「排除型社会」のあり方を説いた。

     

    その「過酷な排除のされ方をする集団」の例として挙げたのが、若年労働市場における非典型労働者(正社員以外の雇用者)や無業者であった。

    焦点を当てているのは大卒者だが、もちろんこうした非典型雇用や無業者の問題はさらに深刻である。

     

    自己責任と多様性ということばでは片付けられない!?

     

     

    だが昨今、生き方・働き方の多様化を認める仕組みや制度が表面的には増えつつも、そうした生き方を選んだ者も排除の対象となりつつあるのだ。

    多様な生き方・働き方を選ぶ若者は無条件に包摂されるわけではなく、「自分の力で生きていけているかぎりは包摂する」社会となっている。

     

    不確実化や不安定化は時代の流れ、多様化の許容は時代の要請である。

    にもかかわらず、標準的でない生き方を選ぶ彼らへの支援が行われないとしたら、まさに「自己責任化」に押し潰される個人が量産されることとなる。

    そしてそれは、そうした責任を果たせる個人とそうではない個人を生み、格差の拡大にもつながる。

     

    新卒者のみがゴールデンチケットを持っている状況が良いとはまったくもって思わない。

    むしろ不条理な仕組みと言えるだろう。しかしそこだけを変えても意味がないのだ。

    社会にとって重要なことは、新卒一括採用という枠組みをどう拡張するのか、ということではないはずである。

     

    すべての人が生きていくために職に就けるということ、そしてそれぞれの人が自分の可能性を最大限発揮し、みんなで社会を豊かにしていくことである。

    そのためになにをすべきなのかを社会全体として考えていくことが重要である。

     

    つまり、優秀な人材をどう有効に職に当てはめていくかということ以上にわれわれが本当に考えなければいけないのは、「いかにすべての人材を育てていくのか」ということだ。

    そしてそれが真にすべての人に行き届くということが重要なのである。

     

    | 採用学 | 00:05 | comments(0) | - | - |